FC2ブログ

    ダブル・ブッキング

     私の所属していたレコード会社は倒産してしまいましたが、その会社にいた時の話です。 
     ちなみにその会社は自社スタジオを持っていまして、いつもそこでレコーディングしていました。

     その日、私は17時半からレコーディング(ギター録り)の予定でした。
     定刻より10分ほど早くスタジオに到着したのですが、何やら様子が変。
     スタジオはガラス張りだから判るのですが、電気が点いていませんな。誰もいないのか? 
     そんなことは今までなかったぞ。

     そして、そのスタジオの入り口には、いかにも“待ちぼうけ”という感じで若者がポツンと一人佇んでいました。
     彼は私に気づいて、
    「ひょっとして今日レコーディングの予定ですか?」と訊いてきました。私は17時半からの予定なんですと応えました。すると彼は、
    「実はさっき○○さん(プロデューサー)に電話したんですけど、今こっちに向かっているようです。で、何でもダブル・ブッキングがどうのとか言ってましたけど……。」

     なるほどね!遅刻することはまあイイとしても、ダブル・ブッキングねぇ~。
    「実は僕、17時から歌録りの予定だったのです。」
     こりゃダメだわ(笑)。でもここでキレて帰るワケにもいきませんから、お互いに自己紹介をして適当に談笑しておりました。

     ほどなくしてプロデューサー氏到着。
    「イヤァ~、ゴメンゴメン。A君(その彼)、そして鈴木さんも。俺、やっちまったよ!!でもA君はホンの2小節ばかり録るだけだから、直ぐ終わると思うんだ。だから鈴木さん悪いけど待ってもらえますか?」

     まあ私に選択肢は無いですな。ただ待つのはイイけど、A君はレコーディングを見られたくないかもしれませんから、彼に「邪魔だったらどっかで時間潰してるけど!?」と訊いてみました。すると彼は「全然平気です!」と言ってくれましたので、そのまま適当にギターを触りながら見ていることに。

     さて、2小節と言ったのはホントでした。ホントだったんですが、A君がハマリまくってしまいました。彼の名誉のために書いておきますが、ミュージシャンは上手いヘタに関係なく、ハマってしまうことが誰にでもあります。で、まさにA君にそれが起きてしまいました。まあ彼としては、私が待っているので早く終わらせようというプレッシャーもかかってしまったのかもしれません。A君のせいではないのに……。

     ってなワケで、何だかんだで1時間半近くかかってしまいまして、私のレコーディングがスタートしたのは19時を過ぎていました。待っていて疲れてしまいましたが、それでかえって力が抜けることになってハマらずに済みました。A君のおかげかも。

     っていうか、最初からこんな感じだったワケですから、その後の将来を暗示していたんでしょうな(笑)。またね。

    そのレコーディングとは関係なく一人で創った楽曲発売中!!
    にほんブログ村 音楽ブログへにほんブログ村 音楽ブログ ギターへ
    スポンサーサイト



    プロフィール

    鈴木浩憲
    Cool Finger Official Website
    Cool Finger Facebook

    人とは一風変わった音楽哲学を持ったギタリスト/シンガーソングライター。オフィシャル・ウェブサイトでは、オリジナリティあふれるロック・ギター講座を展開。


    ★attention★


    投稿者の欄が無記名、または“名無し”“通りすがり”等の匿名性が非常に高いコメントは、いかなる内容であっても削除致します。
    当ブログはリンクフリーです。
    当ブログの全てのコンテンツの無断使用を禁じます。

    リリース
    最新記事
    カテゴリ
    カレンダー&アーカイブ
    09 | 2013/10 | 11
    - - 1 2 3 4 5
    6 7 8 9 10 11 12
    13 14 15 16 17 18 19
    20 21 22 23 24 25 26
    27 28 29 30 31 - -
    検索フォーム
    リンク
    RSSリンクの表示
    最新コメント
    最新トラックバック